toki Architect design office - 土岐建築デザイン事務所

ブログ

住まいのディテール

2017/1/28

建物へのアプローチ

道路から建物の主要な入口、すなわち玄関までの通路をアプローチと呼びます。
玄関はその建物の顔となる部分ですが、いきなりその顔が道路のすぐ側にあるというのは、どことなく奥ゆかしさに欠けるような気がします。
そのため、どんな敷地条件であっても、色々な工夫を凝らして玄関までの道のりを楽しいものにしようと考えています。

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玄昌石の緩やかな階段状になったアプローチ。
左手の庭の樹木に自然と目がいきます。

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正面に坪庭を配置した例。建物右手奥が玄関です。
植栽が緩衝材となり、建物との程よい距離感を生み出しています。

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この住宅では、玄関ポーチの前に壁を立てることで道路から直接玄関が見えないようになっています。
玄関内部への明かり採りも兼ねたトップライトを設けたため、ガラス越しに空を眺めながら歩くアプローチになりました。

魅力的な建物は、必ず良い雰囲気のアプローチを持っていると思います。

Pendant Lamp

照明計画を行う際に、全体照明は空間に溶け込めるよう極力器具としての存在感を無くした物を選んでいます。
対照的にペンダントと呼ばれる吊り下げ型の照明器具は使用する場所や部屋全体のイメージから考えて、ここにはこれ!と思う器具を採用する事が多いです。

食卓を照らす灯りとして使う場合は、食事がよりおいしそうに見えるというのはもちろん、テーブルの大きさ、デザイン等も考慮して慎重に位置や高さを決めます。

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吹抜けの天井から下ろした例。ハンス-アウネ・ヤコブセンのデザイン。
2階からもよく見える位置なので、上から見ても美しい器具を選びました。

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ブナ材の木製シェードのペンダント。
緩やかなカーブを描いた形がこの家に良く似合っています。

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小さめの器具を2灯並べることで、大テーブルに対応した例。

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点灯すると光源は直接見えず、照明器具が浮かび上がったように見える。
ポール・ヘニングセンデザインのPH5。

鉄骨階段

鉄骨階段は木製階段に比べ構造的に構成部材を薄くすることができます。
そのため意匠性にも優れ、シンプルで軽快なデザインにすることができます。
また、設置する空間を最大限利用できるところもメリットのひとつです。

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階段スペースは閉鎖された空間と思われがちですが、独立した構造にすることと、軽快なデザインにすることで開放的な階段スペースにすることができます。
写真の階段は、空間の採光や通風、視線の広がりなどを邪魔しないよう蹴込みの無いストリップなデザインにしています。
どちらもホールやリビングなどの大きな空間の一部に階段を配置しているため、階段部分を開放的にする必要がありました。

デザインや考え方によって閉鎖的にも開放的にも選択することができます。
平面上では分かりづらいですが、階段のある場所は必ずしも閉鎖的になるとは限らないのです。

2016/9/19

ピクチャーウィンドウ

外の景色を切り取って絵画のように見せる窓をピクチャーウィンドウと呼びます。
その性質上、一般的にはFIX(はめ殺し)にすることが多い窓です。
しかし、絵のような風景を楽しみながら開閉もできるようにしたい場合もあります。

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どちらも一見FIX窓にしか見えませんが、木製ガラス戸を壁の中に引き込むことで開放できるようにしてあります。
当然鍵もありますし、開放した時には網戸も付けられるように作っています。

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こちらは、アルミ製FIX窓と内倒し窓の組み合わせ。
大きな窓にせずあえて小さくすることで、海と空、そして遠くに見える島が壁の中に浮かび上がります。

空間の中でひとつの表情を作る窓として、重要な位置づけになるものですから、効果的且つ外観とのバランスなども考慮しながら、慎重に設置する場所や大きさを決めて行くことが大切です。

 

2016/9/18

織部床(おりべどこ)

古田織部が考案したと伝えられる形式の床です。
床の奥行き方向を省略し、壁面を床の間に見立てたもので、壁の上部廻り縁の下端に横板を入れ、それに軸釘を打ったものを指します。

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この横板は織部板と呼ばれ床の存在を示す役割を果たしています。
通常織部板は、スギ材の板幅6~8寸(182~243mm)程度のものを使い、和室の格式応じて幅を決定します。
織部板は、「幕板」「綿板」「雲板」ともよばれ、板が壁面よりも出ており、軸が土壁などに触れて傷むのを防ぐ事から、他の床の間形式でも使われています。

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時代時代の流行りもあるのかもしれませんが、
こうして後世に伝えられるものを受継ぎまた後世に伝えていく。
この積み重ねから、また違う新しいものも生み出されていくように思います。

余談ですが、古田織部は戦国時代の武将から千利休に弟子入りし茶人として名を広めた人物で、利休七哲(7人の高弟)の一人として上げられています。
また、その織部の弟子には、桂離宮、仙洞御所、二条城、名古屋城などの建築・造園などを手掛けた茶人であり建築家・作庭家の小堀遠州などがいます。